アトピー性皮膚炎の季節内変動について

アトピー性皮膚炎は季節により改善したり悪化したりする不思議な疾患です。
原因は糖質の取り過ぎのようです。食べる順番で症状の出方が異なることから、血糖値の関与が示唆されます。

今回は季節によるアトピー性皮膚炎の改善と悪化についてです。
人によって夏に悪化する場合と、冬に悪化する場合、もしくはその両方で悪化する場合があります。これらの原因について考察してみます。
糖質の取り過ぎがアトピー性皮膚炎の原因だという理屈から、季節によって症状の悪化する理由で考えられるのは季節によって食べる量が異なることです。現実問題として考えられるのは食欲の秋といわれるように秋に悪化するのであれば理屈にあいそうですが、夏と冬に炭水化物を多く食べるというのは考えにくいように思います。現実に夏に体重が増えた人や、冬に体重が増えて症状が悪化するのであれば季節により食べる量が増えてしまうという関連が考えられますが、そういう方は少ないようです。

季節毎に糖質の許容量が変動する

食べる量が季節によって余り変わらないのであれば、別のことが原因のようです。
次に考えられるのはアトピー性皮膚炎を発症する炭水化物の許容量が季節により変動する可能性です。アトピー性皮膚炎の悪化因子である汗は夏に多くかきますし、冬に空気が乾燥することでダニ・ホコリが舞い上がり皮膚に影響を与えている可能性が考えられます。悪化因子が増えることで炭水化物の許容量が減ってしまう可能性があるのです。

同じ量を食べていても、夏になると悪化する場合や、冬になると悪化するのは汗やダニ・ホコリという悪化因子が増えることで、炭水化物が少なくても(血糖値が低くても)反応しやすくなるのかもしれません。

季節によるアトピー性皮膚炎増悪時の対策

対策は前もって悪化する季節だけ糖質を減らすか悪化した時点で振り返る振り返り法を実践することです。
症状が出れば食べ過ぎのサインなので、1日振り返って食べ過ぎを気をつけます。
それでも改善しなければ、症状が出現する量である閾値が下がっている可能性があるので以前より思い切って炭水化物の量を減らしてみることです。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因を考えてみました。
一般的にはアレルギーの一種とされ、原因は特定されていないため何が原因であるとはっきりと名言されてはいません。一部の人達はダニ・ホコリ・汗がアレルギーの原因だと考えているようです。

アトピー性皮膚炎の原因は糖質

アトピー性皮膚炎の原因は糖質のようです。
というよりもアレルギーの原因自体が糖質が原因のようです。
更に考えてみると、アレルギーとは自己免疫性疾患の一種で、自己免疫の標的・ターゲットが外界に接する皮膚や粘膜の場合、自己免疫により皮膚や粘膜で炎症を起こりアレルゲンに感作されることでアレルギーとして反応しているだけのことだと思います。つまりアレルギーの元である自己免疫性疾患も糖質回避により改善する可能性があります(参考:自己免疫性疾患とアレルギーの関係)。

糖質が原因である状況証拠

現時点では完全に特定できている訳ではありませんのでまだ容疑者の段階ですが、糖質が原因である可能性が高いと私は考えます。何故ならダニ・ホコリ・汗などの環境因子が変わらない状況であっても、糖質を食べる量を変えることでアトピー性皮膚炎の症状が再現されるからです。

通常のアレルギーの概念とアトピー性皮膚炎と糖質の関係が異なるのは、糖質を食べても一食毎の一定量まではアトピー性皮膚炎の症状が出ないことです。あたかもアトピー性皮膚炎を発症しない許容量があるような現象です。これまでの食物アレルギーの概念であれば少量であっても食べればアレルギー反応が起こるため、アトピー性皮膚炎と糖質の関係は食物アレルギーとは明らかに異なる現象です。食物アレルギーであれば特定の食物に対して反応しますが、糖質の反応は糖質全体の許容量をこえることで発症します。

血糖値の上昇が原因であることを示唆する状況証拠

一度に一定量をこえる糖質を食べることでアトピー性皮膚炎は悪化しますが、血糖値が上昇することが原因であることを示唆する状況証拠があります。それは糖質を食べる順番を変えることでアトピー性皮膚炎の発症の仕方が異なることです。食べる順番とは副食と主食の食べる順番のことでです。主食から食べる場合と、副食から食べる場合で食べる量が同じでも症状の出方が異なります。同じ量を食べるので身体に吸収される成分は同じはずです。それにも関わらず食べる順番でアトピー性皮膚炎の症状が異なるということは、問題の本当の原因は糖質ではないことを示唆します。食べる順番を変えることで変わるのは血糖値です。血糖値が一定以上をこえることでアトピー性皮膚炎が発症している可能性を示唆します。

血糖値が上昇することがアトピー性皮膚炎の原因だと仮定して考えてみます。

一度の食べる糖質の量によりアトピー性皮膚炎が悪化すること。
食べる順番を変えることでアトピー性皮膚炎の悪化度合いが変わること

この二つのことはいずれも血糖値が上昇することにつながります。
血糖値が一定値までは発症せず、瞬間的に血糖値が上昇した際に閾値(反応する値のこと)をこえることでアトピー性皮膚炎が増悪すると考えると二つの現象の説明がつきます。

血糖値の上昇に伴い体温が上昇するのは間違いがないようです。
体温の上昇そのものが痒みを引き起こしているのか、体温の上昇に伴い発汗が起こることで汗に対する反応が起こっているのかはわかりません。発汗といっても流れる前にすぐに蒸発してしまう不感蒸泄という発汗形態もあるため、流れるような汗をかいていないからといって発汗との関係は否定できません。それとも体温とは関係なく血糖値が上昇することで何らかの機序が働き、痒みが出るのかはまだわかりません。
そして何らかの免疫異常により赤みを引き起こしている可能性が考えられます。

糖質を食べすぎた際の反応の仕方

糖質を食べすぎた際の症状の出方もわかりました。
少し食べ過ぎた際には数時間で痒みを生じ、更に食べ過ぎた場合翌日には皮膚に赤みを生じるようです。人によっては痒みを感じることなくいきなり食べ過ぎた翌日皮膚に赤みが出ることもあるようです。
痒みが出た場合には、痒みが出る前の食事が原因です。
赤みが出た場合には、1日で症状が出るので1日以内の食べ過ぎが原因です。
いずれにしても痒みや赤みが出た場合には食べ過ぎのサインです。

反応の仕方からわかること

この反応の仕方から治療は振り返り法によって簡単に行うことができます。
実際には原因を取り除くのですから治療ではありません。
病気を治すのではなく、病気を失くす発想です。

アトピー性皮膚炎は病院に行くことなく治すことができる時代になりました。
糖質回避をするだけのことです。
ステロイド剤はリセットボタンのようなものです。ステロイド剤を使うことで早く症状を抑えることができるので、早く症状を抑えたい患者さんは病院を受診することをお勧めします。時間がかかってもよければ、糖質回避をしながら症状が出なくなるまで待つだけのことです。糖質の食べ過ぎがなくなってから皮膚症状が改善するまで少なくとも2・3週間はかかります。
症状を予防するには糖質回避振り返り法です。

ちなみに糖質をやめることが無理と考えてしまうのは、多くの人たちが経験する禁断症状を伴う糖質依存の一症状です。糖質依存から抜け出すことをお勧めします。

濃厚なめらか豆腐 セブンイレブン

アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギーの予防や肥満、2型糖尿病の改善に効果が期待出来る糖質回避に役立つのが豆腐です。今回はセブンイレブンの濃厚なめらか豆腐雪塩162円です。

コンビニではなかなか糖質回避は難しいのですが、豆腐はタンパク質が豊富なので私は重宝しています。

少し割高ではありますが美味しかったです。これを主食代わりにして冷凍のおかずを食べました。

店内調理のメンチカツをオカズにしてこの豆腐を主食代わりに食べるのはありだと思います。

アクセルを踏みながらブレーキがきかない話

今回は一つの例え話です。
例え話とはわかりにくい物事を比喩を使って理解しやすくする手法です。

車を運転中にアクセルを踏みながらブレーキを踏んで止まらない!と困っていればあきれることでしょう。運転手が咄嗟のことで焦ってしまってアクセルとブレーキを踏みながら止まらないと叫んでいても、第三者はあきれることでしょう。本人は冷静な判断ができず両方踏んでいても、アクセルを踏んでいる意識が欠落したままブレーキを踏んでいると、混乱してしまうようです。客観的に考えればアクセルとブレーキを踏んでいれば止まらないことは簡単にわかりますが、当事者は思い込んでいればわからないのかもしれません。
幸い現実の車の運転では右足でアクセルを踏み、同じ右足でブレーキも踏むように運転するので、アクセルを踏みながらブレーキを踏むためには普通使わない左足も使うことになるため、通常ではアクセルとブレーキ両方を踏むことはできません。
通常は起こらないことでも例え話として想像してみると、車が止まるわけがないことが容易に理解できます。いくらブレーキが強力だとしてもアクセル全開だと簡単には止まらないのは当たり前です。車が止まるためにはまずアクセルを緩めた上で、ブレーキを踏むのが常識です。

アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギーや肥満治療、2型糖尿病ではこの常識から外れた、アクセルを踏みがら(糖質を食べながら)ブレーキを工夫(様々な治療を施す)して止まらないといっている状態です。これらの疾患が糖質を控えることで改善する訳ですから、原因は糖質の食べ過ぎのようです。まだこアクセルを踏みながらブレーキを踏んでいるようなものだということを理解できていない人が多いだけのことです。少なくとも20年もすれば、今の治療法を呆れながら振り返る時代がくるでしょう。

アレルギーの発症機序はまだ不明ですが、糖質の許容量をこえた人が発症することが示唆されています。その証拠に糖質を完全にゼロにしなくてもある程度回避することで、薬を使うことなく症状が消失します。糖質が一因でなければ説明のつかない現象です。少なくともアトピー性皮膚炎は糖質回避振り返り法にて治すことができます。ステロイド剤を使っても次々赤みが沸き上がるのは、糖質を食べすぎているからです。正にアクセルを踏みながらブレーキを踏んでも止まらないと困っている状態です。
肥満の方の多くは糖質依存によって脳が糖質に騙され、糖質を食べすぎた結果起こるだけです(ちなみに糖質依存・糖質中毒の禁断症状を多くの方が経験されています)。糖質回避により糖質依存から抜け出せば体重の自己コントロールは容易です。ダイエットに失敗するのは糖質依存から抜け出せないか、一度成功しても体が脂肪が減ったことを飢餓状態と勘違いしてしまうので食欲が増進し、再び糖質依存に陥ってしまうからです。糖質を避けていればリバウンドも起こりません。糖質を避ける以外のダイエット法はブレーキの工夫でしかありません。様々なブレーキが考えられていますが、根本原因である糖質を控えるというアクセルを緩めずにブレーキを工夫しても意味がありません。20年もすればダイエットという概念はなくなるのではないかと思います。何故なら糖質を食べれば太るし、食べなければ痩せる。それだけのことだからです。今のところ太っている人は自制心がないと誤解されていますが、糖質依存に陥っているだけのことです。これからは糖質を避ける知恵を知らないんだと思われる時代が来ると思います。
2型糖尿病は血糖値が下がらなくなる病気ですが、そもそも血糖値の上昇はタンパク質・脂質・糖質のうち、糖質のみ引き起こすことができます。タンパク質・脂質は食べたからといって直接血糖値を押し上げることはありません(不足した場合にはブドウ糖を作り出すことはあります。そのため糖質を無理に取らなくてもブドウ糖の血中濃度である血糖値は維持されます。)。その糖質を控えることで血糖値が上昇しなくなります。上昇しなくなれば下げる必要がないので自然と2型糖尿病は治るという簡単な話です。(実例:2型糖尿病が薬無しで治りました)糖質を避けるように指導しないまま治療を行っている医師が、透析や失明をしてしまった患者さんから訴えられる時代が来ると私は考えています。

アレルギーも肥満も2型糖尿病も治らないと考えられているのは、糖質を同じように食べているからです。
アクセルを緩めることなくブレーキを工夫することに意味がありません。
車の運転であればまずアクセルを緩め、必要に応じてエンジンブレーキだけで良いのかフットブレーキを踏むのか、それでも駄目ならサイドブレーキも使うのかという歩合にブレーキを工夫するはずです。
病気を治したいのであれば、まずアクセルを緩めるのと同じように糖質の量を減らしてみることです。

炭水化物を食べる量を0にする必要はありません。
糖質を減らす目安はアレルギーを治すことが目的であれば、症状がでなくなる程度まで減らします。肥満を治すことが目的であれば体重を目安に減らします。もう一つの目安が糖質依存から抜け出すことです。糖質依存から抜け出せば禁断症状である強い空腹感に悩まされることがなくなります。長時間空腹を我慢していると感じるピークを越えた軽度の空腹感しか感じなくなります。強い空腹感を感じなくなれば、体重を維持するのは難しいことではありません。
2型糖尿病では血糖値を目安に糖質を減らすとよいと思います。2型糖尿病でも糖質依存から抜け出すことで、コントロールが容易になります。
まだアクセルを踏みながら(糖質を食べながら)ブレーキを踏んで(治療で悩んで)いませんか?

アトピー性皮膚炎に対するステロイド剤の役割

アトピー性皮膚炎の特効薬のように考えられているステロイド剤ですが、ただの対症療法薬です。アトピー性皮膚炎が治る時代となった今ではその役割を終えつつあります(参考:アトピー性皮膚炎の治し方 糖質回避・振り返り法)。
これまでは二度と症状が出なくなる根治薬が無かったため、対症療法ではありますがステロイド剤を仕方なく使い続けていました。
20世紀にはステロイド剤が最善の治療法で、いわばステロイド剤が治療の主役でした。これからは脇役でしかなくなります
21世紀には糖質回避によりアトピー性皮膚炎は治る病気となりました。振り返り法により自己コントロールすることの出来る病気、あるいは体質だとわかりました。

ステロイド剤はリセットボタン

糖質回避をすれば症状は出なくなりますが、糖質を食べ過ぎた結果アトピー性皮膚炎が増悪することがあります。増悪した場合には振り返り法により食べ過ぎを見つけ出して次から食べ過ぎないように気をつけると良いのです。しかし一旦悪くなった皮膚の状態のままでは、次の食べ過ぎの判断が難しくなります。そこでステロイド剤を使って皮膚の症状を元の状態に戻すのです。イメージとしては食べ過ぎの影響を消してしまうリセットボタンだと理解するとわかりやすいと思います。
特に一度だけでも食べ過ぎて一旦症状が出てしまうと、ステロイド剤を使わないと1・2週間、場合によっては3週間程度症状が続いてしまいます。症状が出ていると次の食べ過ぎの症状がわかりにくいため、次の症状を確認する目的でステロイドにより食べ過ぎで出た皮膚の症状をリセットするイメージです。

リセット出来ない(症状が消えない)場合

ステロイド剤を使ってリセットしようとしてもリセットできない(症状が消えない)場合、薬を塗る塗る量が足らないかステロイドの強さが足らないかのいずれかです。ステロイドの強さが足らない場合で考えられることはこれまでに起ってしまった炎症が激しすぎるのか、糖質を食べ続けているので次から次に症状が出てくるため抑えきれないのです。更に強いステロイドを使用することと、糖質を更に減らすことを検討してみると良いと思います。

ステロイドでリセットし続けるのか糖質を減らすのかを選ぶ時代

これまではアトピー性皮膚炎の原因が避けられないダニ・ホコリ・汗だと考えられていたので、ステロイド剤で対象療法をするしかありませんでした。避けられないものが原因ですから治らなくても仕方のない病気だと誤解されていたのです。
糖質とダニ・ホコリ・汗の組み合わせで発症することがわかった今となっては、患者さんが自分で選ぶことが出来る時代になりました。
糖質を食べた結果出た症状をステロイドでリセットし続けるのか、糖質を控えることで症状を出ないようにするのかを選べる時代です。(治療しても治らないと誤解するのはアクセルを踏みながらブレーキが効かないと考えるようなものです)

アトピー性皮膚炎は治すことの出来ない病気から、自己調節できる病気へと変わりました。
治療という積極的なことをしなくても、糖質を避けるという知恵だけでアトピー性皮膚炎が失くなる時代へと時代が変わりました。

私の不眠の原因 糖質でした

時折眠れないことがありました。
理由は良く分かりませんでしたが、最近でははっきりと原因がわかりました。
糖質の摂り過ぎが原因でした。

基本的に糖質を避けているのですが、多少の楽しみはあっても良いかと考えて時折食べてみることにしていました。
日頃食べないので、食べた時と食べない時の差が糖質の影響だと考えられます。
夕食後にデザートまで食べると睡眠が浅く夜中に目覚めてしまいます。今の所推測の域を出ませんが、どうやら血糖値の上昇に伴い体温が上昇する結果、睡眠が浅くなるのではないかと思います。
試しに寝る前にデザートで甘い物を食べて寝ると夜中に目覚めました。次は昼間なら食べても大丈夫だろうと考えて、昼食後にデザートを食べてみました。不思議なことに午後の診療中身体が火照った感覚がありました。幸い夜は眠ることが出来ました。

私は休みの前日以外は夜に糖質を食べないようにすることにしました。

今から考えると夜良く眠るためにお酒を飲んでいたのは逆効果だったなと実感します。お酒を飲むとお酒の影響で脳が麻痺して眠ることは出来ても、お酒の中の糖質の影響で眠りは浅くなっている可能性が考えられます。

一つの提案ですが、不眠で悩まれているのであれば少なくとも夜の炭水化物は控えてみることをお勧めします。

パラリンピックは無くなるのが理想?

オリンピックが終わってから開催されるのがパラリンピックですが、パラリンピックは無くなるのが理想だと私は思います。障害者を切り捨てるとかないがしろにするという発想ではありません。

わざわざパラリンピックとして別に開催せず、オリンピックの種目に組み入れれば良いと私は思います。
走る、泳ぐ、飛ぶなどがある中の種目の一つとして車椅子での競技があっても良いのでは無いかと思います。差別を無くす目的で健常者が車椅子で出ても良いのでは無いかとさえ思います。現在のオリンピックはビジネスとしての側面が強く前に出ていますが、将来健常者と障害者の垣根を取り払う一助となるなら大きな意味があると思います。

パラリンピックという名称が無くなり、オリンピックの正式種目となるのが理想だと思います。

すぐにオリンピックにパラリンピックを組み入れることは難しいとは思います。少なくとも東京オリンピックでは、パラリンピックを先にオリンピックの前哨戦として開催することを心から望みます。

アトピー性皮膚炎が治らない理由

以前記載したようにアトピー性皮膚炎は治ります。しかし世間一般では治らないと考えられています。

今回は治らない理由を考えてみます。

アトピー性皮膚炎が治らない理由

まず結論を書くと、糖質を食べ過ぎているからです。糖質を食べ過ぎた結果アトピー性皮膚炎を発症しているので、糖質を食べ過ぎている限りせっかく治療しても湧き上がるだけのことです。

世間一般ではアトピー性皮膚炎は治らないと考えられています。医者の中にはアトピー性皮膚炎は薬を使えば治ると考えている人もいますが、それは治る訳ではありません。薬で抑えているだけです。患者さんの求めている「治る」を勘違いしています(参考:患者さんの治ると医師の治るのすれ違い)。患者さんの求める病気が治るとは治療が必要なくなる状態のことです。2度と症状が出なくてはじめて治ると感じるのです。

アトピー性皮膚炎の治療法はステロイド剤を塗ることだと誤解していることが治らない原因です。糖質を控えるだけで症状が改善することを知らないのです。

糖質という原因を食べ過ぎながら、治療しても治らないというのは、あたかも糖質を食べるというアクセルを全開に踏みながら、治療であるブレーキを工夫しても車が止まらないと困っているようなものです。アクセルを緩めれば自然と止まるのにそのことを知らないのです。

糖質を食べ過ぎた結果として何らかの免疫異常を来し、皮膚に対する自己免疫が働き、皮膚に炎症が起きているだけのことです(仮説)。炎症が起きた状態の皮膚に対して容易に触れるダニ・ホコリ・汗に感作しただけのことです。原因は糖質の食べ過ぎ、悪化因子がダニ・ホコリ・汗などです。そのため悪化因子を取り除いても他の物質に感作されれば再び症状を起こしてしまいます。

糖質を避けるという知恵

表現の仕方を変えると、アトピー性皮膚炎が治らないのは糖質を避けるという知恵を知らないからです。

それ以上でもそれ以下でもありません。アトピー性皮膚炎を治したいと思われたらまず糖質を減らす食事療法を試してみてください。どの程度減らせば良いのかは個人差があるので一概には言えません。一つの目安として振り返り法がお勧めです。検査で糖質を控えると治るかどうかわかりませんか?という質問を受けますが、ありません。糖質回避を行って改善するかどうか回避試験をしてみるしか今のところ確かめる方法はありません。

糖質回避によるアトピー性皮膚炎の改善率は95%をこえていますので、お試しください。

もう一つのアトピー性皮膚炎の治らない理由

アトピー性皮膚炎が治らないブラックな理由を一つ記載します。アトピー性皮膚炎は治るのに医者から治る話が教えてもらえない理由についてです。恐らく糖質が原因だと知らないのだとは思いますが、知っていても患者さんに教えようとしないかも知れないのです。その理由がブラックなのです。

一言で表すと治らないのではなく、医者の都合でアトピー性皮膚炎を治さないのかも知れないというブラックな話です。

糖質回避でアトピー性皮膚炎が治ることを患者さんに伝えると次々患者さんが治るため患者さんが減ってしまいます。倒産を恐れて教えてくれないかも知れないのです。または糖質を控えるだけで薬が要らなくなるため、医者の存在意義が無くなるため教えてくれない可能性があるのです。恐らくほとんどの医者はまだ糖質回避で治るという知恵を知らないだけだと思いますが・・・

強い空腹感を感じるのは糖質依存の禁断症状

空腹感は誰もが感じる生理的な感覚です。
しかし強い空腹感は糖質依存の禁断症状です。
以前は仮説として強い空腹感は糖質依存の禁断症状かもしれないとして書きましたが、他の感覚と比較することで間違いないと確信しました。

尿意と比較してみる

他の感覚との比較とは排尿したいという感覚、尿意と比較するとよくわかります。
尿意は排尿しない限り次第に強まっていきます。
どうしても我慢しなければいけない環境に長くさらされると、多少は弱まることはありますが排尿しなくてすむようになることは通常はありません。
これが禁断症状ではない生理的欲求です。
空腹感が禁断症状ではないと仮定すると、尿意と同じように食べない限りは空腹感がやわらぐことはないはずです。しかし実際には空腹感を我慢していると突然ピークをこえるように感じ、強い空腹感を感じていたとき程は食べられなくなります。これこそが糖質依存の禁断症状である証拠です。

強い空腹感が生理的なものだと仮定すると

それでも強い空腹感が糖質依存の禁断症状ではなく生理的なものだと仮定すると、矛盾するおかしな点がいくつか存在します。

  • 糖質を避けている(糖質回避)と強い空腹感を感じにくくなること(空腹に慣れるような印象です)
  • 人類が農耕を始める前の狩猟採集を行っていた時代にも強い空腹感を感じていたとすれば、狩猟採集活動に支障を来したと思います。つまり強い空腹感を生理的に感じていれば、狩猟採集がうまく出来ず子孫を残すことが出来なかったはずです。

これらの事からも強い空腹感は糖質依存の禁断症状だと思います。

強い空腹感が糖質依存の禁断症状からわかること

強い空腹感が糖質依存の禁断症状だということがわかることで利点があります。
禁断症状がなくなることを目安に糖質回避を行うことが出来ることです。
強い空腹感を感じればまだ糖質依存状態ですし、強い空腹感をあまり感じなくなれば糖質依存状態から抜け出したことがわかります。

糖質制限をされている人達が糖質制限をしばらくしていると、あまり空腹感を感じなくなったとおっしゃるのは、糖質依存から抜けだし禁断症状を感じなくなったことに起因します。
ちなみに糖質制限をしていると胃が小さくなったと感じるのも糖質依存のせいで自己抑制が利かない状態を表しています。

強い空腹感から抜け出すと、食に対するこだわりが減ります。
食に対するこだわりが全く無くなる訳ではありませんが、わざわざ行列に並んでまで食事をしようという感覚は薄れますし、高いお金を払ってまでとにかく美味しい物を食べようという感覚も減ります。糖質依存の状態の方から見ると人生の楽しみが減るような印象を感じられるようですが、むしろ時間とお金に余裕ができるので豊かな生活を送ることが出来るようになります。
このことはニコチン依存の方がタバコをやめることが想像できないことに似ています。
糖質依存から抜け出すことで初めてわかる感覚が味わえます。

良かったら強い空腹感を感じなくなるまで糖質を控えてみて下さい。
個人差があるようですが、私は2週間で強い空腹感がなくなりました。つまり2週間糖質を回避することで糖質依存から抜け出すことができました。人によっては3週間で抜け出せた場合もありますし、早い方は3日で依存から抜け出すことができたそうです。
良かったらお試しください。

アトピー性皮膚炎を治す食事療法(振り返り法)

アトピー性皮膚炎を治すことが出来るのは以前お伝えした通りです。

アトピー性皮膚炎の食事療法(糖質回避法)を実践し、症状が良くなるまで減らしてしまえば理論的には完治します。しかしどの程度糖質を減らすと良いのか判断に困る場合があります。
そこで提案するのが振り返り法です。

アトピー性皮膚炎において、糖質を食べ過ぎてから症状が悪化するまでの期間が短いことを利用します。アトピー性皮膚炎では糖質を食べ過ぎると数時間のうちに痒くなって、それ以上食べ過ぎると翌日には赤みがでるようです。
そこで痒くなったり赤くなったりした時点で食べたものを『振り返る』のです。

アトピー性皮膚炎の食事療法:振り返り法

具体的な方法を提案します。
判断がしやすくなりますので、ステロイドで炎症を抑えた後で振り返り法を試すことがお勧めです。何故なら炎症がある間に糖質を控えても、以前の炎症の影響か今回食べたものの影響か判断しにくいためです。

まず出来る範囲で構いませんので糖質を控えてみていただきます。
痒みや赤みなど症状が出なければ糖質の食べた量は許容範囲内です。そのままの量で様子をみましょう。
痒みや赤みが出れば糖質を食べ過ぎのサインです。
痒みが出た場合は直前の食事が原因の可能性が高く、赤みが出た場合には1日の間に食べた食事が原因の可能性が高いと考えられます。
ここで食べたものや食べた量を『振り返る』のです。

いつもより食べた量が多ければ、それが食べ過ぎのサインだと考えます。つまり許容量を超えてしまった証拠です。
この量を覚えておいて、次から食べ過ぎないように気をつけるのです。
もし食べ過ぎに思い当たらなければ、気にしないようにしましょう。
何度も繰り返しているうちに許容量が分かるようになってきます。

振り返り法の目的は自分の許容量を把握すること

振り返り法の目的は、最終的に自分自身の食べても大丈夫な糖質の許容量を把握することです。許容量を把握していれば、食べ過ぎて症状を悪化させないように気をつけることができます。場合によっては痒くなるとか赤くなると予測することが出来るようになります。予測出来れば痒みに対しては前もって内服することができますし、赤みが出る場所が決まっていれば前もって外用することで症状を出ないように抑えることができます。

これまでは原因がよくわからない疾患であったアトピー性皮膚炎が、糖質を食べ過ぎれば出る疾患で、糖質を控えると症状が出ない自己調節出来る疾患になります。

20世紀のアトピー性皮膚炎の治療はステロイドで抑えることしか出来ませんでした。薬を塗らなければ再発するのが当たり前でした。原因が糖質の取り過ぎなのですから、次々症状がわき上がるのは仕方のないことでした。あたかも糖質というアクセルを踏みながら、治療というブレーキを工夫してみても車が止まらないと言っているようなものです。当時は何も分からず手探りだったので仕方がありませんが、糖質の知識を得た今となっては残念な治療法です。
21世紀のアトピー性皮膚炎の治療は糖質回避で根治することが出来るようになりました。
良かったらお試し下さい。